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oblivion日記


by Fastred

第三話 Ardarji's Heirloom (解決編)

マゾーガがモーゲンを仕留めたあの日、俺がレヤウィンに帰り着いたのは、すっかり日も落ちてからだった。
俺はその足で五爪亭に向かいそこで、情報収集をすることにした。
五爪亭は同じレヤウィンに存在しハイソな人々がそろうスリーシスターズロッジとは異なり、いわゆる貧乏人や、戦士ギルドの荒くれなどが安酒でのどを潤す酒場兼宿屋である。
当然集まる情報もその手のものが中心なため、俺はここなら侵入経路について何か有益な情報がつかめるかもしれないと思っていたのだ。
俺はそこで、一人のカジートから気になる情報を聞き出した。

「城の地下に拷問部屋があるらしいぜ、伯爵夫妻がそこでアーゴニアンの移民を拷問にかけてるそうだ。地下に引きずり込まれたアーゴニアンは二度と日を拝むことができないって使用人達が噂してる。」


アムセイが受けていた待遇から考えても、これは貴族たちの周辺に起こりがちな、ただの噂話ではなく事実の可能性が高い。そう考えた俺は、その足で城に向かう。
入口では衛兵に止められたが、マゾーガの件であることを伝えるといやな顔をして通ってもよいと言ってきた。もともとホールまでは万人に開かれている、それがたたって今回マゾーガに居座られる結果になったわけで、いい気分はしてなかったのだろう。
「朝にならないと、伯爵にはお会いできない、外はひどい降りだし、中で待たせてもらえないか。」と持ちかけると、ただめんどくさそうに片手で了承の合図を送ってきただけだった。



マゾーガに挨拶をし、玄関ホールをぬけ、大広間までいく。
好都合なことに大広間には一切衛兵の類は配置されていなかったので、そのまま地下へ。
地下室を調べ始めてすぐ、怪しげなレバーを発見した。
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こうして、侵入時間に方法、必要な情報二つがそろった。
ではいつ決行するのか。
日が変わればマゾーガの事件の内容を伯爵に報告しなければならない。これは、マゾーガがホールに戻ってきていること、そして衛兵に話したことを総合すれば動かせない。

となればいつ?当然、今日だ。そう考えた俺は、地下室で深夜を待ち、そのまま潜入を試みることを決断した。
この先はどの程度の規模、衛兵が配置されているのかはわからないが、深夜寝ている傍に衛兵がつきっきりということはありえないだろう。
Bretonである俺には、ある程度の魔法の心得がある。それを駆使すれば、おそらく不可能ではないはずだ。









そして、深夜1時俺は行動を開始した。
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この黒装束は俺の仕事着だ。魔法のかけられた布地で作られたこの服は、まるで羽毛のように軽く、激しい動きにも耐え、多少の攻撃も防ぐ。足音を消し、万が一目撃されても覆面のおかげで正体がばれることはまずない。


俺は先ほど、見つけておいたレバーを引き、その先にできた道を通る。
クモの巣が生え、まがまがしい雰囲気を醸し出す通路を抜けると言葉を失う光景に出くわした。

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おびただしい血が台に残り、回りには鑑賞用の際に使うと思しき椅子が置かれている。
夫妻は鈍器での拷問がお好みなのだろう。銀製の巨大なハンマーなどがあたりに置かれていた。
名君と呼ばれる伯爵がこんなことを、レヤウィンの市民がこれを見たらきっと驚くだろう。
しかし、権力をもったものがこういった汚いことをするのは、珍しい話ではない。
立場を利用し不正に税金を巻き上げるものや、平気で裏切りをするもの、人の上前をはねようとするのも、人々をうまく利用し大金をせしめる商売人など、俺は腐るほど見てきた。
往々にして彼らはによって守られ、合法的に人々を搾取しているのだ。
だからこそ、俺達のような者たちが富の再分配を行っている。

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拷問部屋をでて潜入を続ける、どうやらこの隠し通路は本当に伯爵夫妻の部屋のすぐそばまで延びているようで、生命探知の魔法を使っても衛兵たちの影はなかった。

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予想以上の警備の薄さもあり、俺はやすやすと伯爵夫妻の寝室に忍び込むことに成功した。
もし、俺がダークブラザーフッドの暗殺者であれば、簡単に夫妻の寝首をかくこともできただろう。
人に知られたくない秘密は、その秘密の存在自体が知れた時点で本人を窮地に追い込むものなのかもしれない。
とはいえぐずぐずしている暇はない、俺は手早く部屋を物色するとベッドの脇に宝石箱を見つけると、その中には依頼品の指輪と、もうひとつエンチャントされた指輪を両方ともいただく。
目的のものを手に入れれば、もうここに用はない。とはいえ、せっかくの機会だしってなことで面白そうな本を数冊にポーションを数瓶いただくと鞄につめその場を後にした。










ホールに戻った俺は、謁見の間の手前にある小部屋に静かに戻る。
門のところにいる夜番の衛兵は不審がっている様子もない。
俺は椅子に腰掛けると、朝になるのを待った。








翌朝、謁見の間に現れた伯爵夫妻は、指輪を盗まれたことに関する動揺を表面上微塵も感じさせなかった。
それもそうだろう、城から、しかも伯爵の私室などという場所に賊が入り、夫人の指輪+αが盗みだされたのだ。それも、二度までも。
おおっぴらにすればレヤウィンの警備はザルだ。と内外に宣伝ぶつことになる。それは避けようとの判断なのだろう。

俺は、今回Mazogaについて見聞きしたことを伯爵に報告した。そこで伯爵において用意された報酬は驚くべきものであった。
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「仇打ちとは全く見上げた行為ですな。レヤウィンはあなたの助力に感謝し、あなたとあなたの友人にふさわしい報酬を用意し、申し出ます。わが領土の遍歴の騎士になる気はありませんかな?」
by Fastred | 2007-08-31 13:56 | oblivion日記